賃貸住宅といえども、長期間の付き合いになります。できるかぎり納得がいくまでじっくり考え抜いて選びたいものですね。しかし、あれこれ悩んでいると「どうやって選べばいいんだっけ……?」と軸を見失い、いたずらに時間を浪費してしまいます。時間をかけて考えることは必要ですが、どこかで決断しなければなりません。
部屋探しで悩まないために、候補物件をピックアップしてからさらに絞り込むためのステップを三つに分けてご紹介します。
ステップ1:予算・間取り・場所などの条件で比較
まず、不動産情報サイトなどで物件を探すときに有効なのは、客観的な基準を活用して優先順位を決めることです。賃貸住宅の場合、まずは予算・間取り・場所といった条件を基準として候補物件を比較しましょう。
ここでは予算・間取り・場所の三つをあくまで例として挙げましたが、もちろんそれ以外の条件を加えてもかまいません。候補物件をいくつか絞り込む前の段階で、自分の中で何かしら条件の優先順位をつけていたはずです。その条件を基準として、改めて候補に挙がっている物件を一覧化し、比べて見るわけです。
たとえば、条件を横軸、候補物件を縦軸にした一覧表を作成し、条件・物件ごとに○・△・×と評価していきます。点数では比較しにくくなる可能性もあるので、一目瞭然に理解できる記号がおすすめです。
一覧表を作成していて、新たな条件を思いつくことがあるかもしれません。予算・間取り・場所だけでなく、階数や最寄り駅からの距離など、気になる要素はどんどん出てくるものです。その場合は、もう一度物件や周辺地域を訪れて、追加要素についての情報を集め直すことをおすすめします。
ステップ2:内見時の印象・情報で比較
次は、数ある情報の中から、いくつかの物件を内見したときの絞り込みの方法です。内見したときの印象や見たり聞いたりした情報で物件を比較するわけですが、ステップ1が「客観的な情報」だとしたら、こちらは「主観的な情報」になります。
内見の際、そのときの印象を後まで保存しておけるよう、写真を撮ったりメモ用紙に書き留めたりボイスメモを残したりするとよいでしょう。カメラやメモ用紙・ボイスメモを持参することをおすすめします。きれいな画像を残す必要はありませんので、一眼レフのような本格的な機種でなくてもかまいません。ボイスメモも残せるスマートフォン一台があれば事足ります。
手当たり次第に撮影しても比較が難しくなるので、あらかじめ写真やメモを残す箇所・項目を決めておきましょう。たとえば、「リビング」「水回り」「トイレ」「バスルーム」といった、場所で分けるのが一つの手です。「応対した不動産会社の印象」「その他」などの項目も入れるといいですね。
確認のためにと、ついたくさん情報を残しておきたくなりますが、多すぎるのも混乱のもとです。写真やメモを残す項目は10項目ほど、内見する物件数は3~5件ほどにとどめるのがおすすめです。
ステップ3:最終的に「直感」を信じてもよい
客観的な条件と主観的な印象を情報として残すことができれば、ベストの候補物件を選べるはずです。しかし、それでも決められないという場合、頼れるのは直感です。
なぜかというと、結局、もっとも大事なのは「住み心地がよいこと」ではないでしょうか。内見のときに「なんだかわからないけど落ち着くな」と感じたのであれば、よほど他の条件が悪くない限り、その感覚を信じてもいいでしょう。
どうしても選び切れない場合は、別の物件を内見することで情報を増やします。ステップ1で候補に挙がっていたものの、まだ訪れていない物件はありませんか? これらの候補物件を内見して情報を増やし、改めて比較する作業を行いましょう。急いで引っ越す必要がないのであれば、納得できるまで絞り込みの作業を行う方が、後の悔いを少なくできます。
なお、選んだ物件が既に他の人に決まってしまっていることも考えられます。心配な場合は、第二候補まで決めておくのがいいですね。